1月27日に安倍総理大臣が新型コロナウイルス感染症を指定感染症にすると発言されました。
新型コロナウイルス感染症が指定感染症になると、 これまでとどのように対応が変わるのでしょうか?
ここでは「指定感染症とは?」「指定感染症でどう変わるの?」に迫ってみました?
指定感染症とは?
1999年4月1日から「感染症法(正式名称:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)」が 施行され、
感染症予防のための諸施策と患者の人権への配慮を調和させた感染症 対策がとられています。
法の定義では、「指定感染症」とは、既に知られている感染性の疾病(一類 感染症、二類感染症及び三類感染症を除く。)であって、
第三章から第六章まで の規定の全部又は一部を準用しなければ、
当該疾病のまん延により国民の生命及 び健康に重大な影響を与えるおそれが あるものとして政令で定めるものをいう。とあります。
「感染症法」では、症状の重さや病原体の感染力など から、感染症を一類~五類の5種の感染症と指定感染症、 新感染症の7種類に分類しています。
2012年から中東を中心に感染例の報告が持続している 中東呼吸器症候群(MERS)や、
2013年以降に人への 感染が確認されているH7N9型鳥インフルエンザについて、 その病原性や感染力を考慮し鳥インフルエンザA(H5N1) と同等の二類感染症に指定しました。
(出典:日本における感染症対策-感染症法-)
指定感染症に指定されると何が変わるのか?
【メリット】
🔸-1:患者に対する入院措置を取ることができる指定感染症となると法に基づいて隔離措置を取ることができるようになります。
これにより、感染性の強い患者からの伝播を防ぐことが可能になります。
🔸-2:入院費が公費負担となる 指定感染症になることで公費から入院費用が賄われることから、
患者の負担なく隔離措置を取ることができるようになります。
🔸-3:届け出が必須となり発生動向調査が容易となる 指定感染症になることで、
診断した際に届け出ることが必要となることから全数把握がより正確になるという利点があります。
🔸-4:接触者の把握が容易になる 患者と濃厚接触した人が今後新型コロナウイルス感染症を発症しないかを追跡することは非常に重要ですが、
今の状況では接触者に協力をお願いするものであり法的強制力はありません 。指定感染症になることで、
接触者の調査をより確実に行うことができるようになります。
🔸-5:おそらく医療従事者の感染リスクが減る感染症指定医療機関はエボラ出血熱、SARSやMERSなどの感染性・病原性の強い感染症の診療に
備えるために日頃から訓練されている医療機関です。医療従事者の感染リスクは下げることができるだろうと考えます。
【デメリット】
🔸-1:感染症指定医療機関に負荷がかかる 万が一、症例数が感染症指定医療機関のキャパシティを超える場合には
早期に感染症指定医療機関以外の医療機関でも診療できるように改正する必要があると考えます。
🔸-2:感染症指定医療機関以外の病院での警戒度が下がる 新型コロナウイルス感染症が指定感染症になることで
「うちの病院はこれで関係ない」と考え警戒を緩める医療機関があるかもしれません
🔸-3:人権に関わる問題
強制力をもって人を病院に入院させるということは人の行動を制限する行為です。
もちろん感染症の広がりを防ぐために必要な行為と考えられるからこそこのような措置が取られるわけですが、
そのために自由な行動を制限される人がいることに我々は自覚的である必要があります。
まとめ
新型コロナ感染症を「指定感染症」に指定し、PCR検査で“陽性”になった方を全部強制入院させたことは、「初動のミス」を招いたと指摘されております。
重症度により現在実行している“仕分け隔離” すべきだったようです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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