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大阪府は17日、大阪大学や大阪市などと 研究を進めていた新型コロナウイルスの予防ワクチンについて、30日から医療従事者 を対象に治験を始めると発表した。

府によると、新型コロナのワクチンの 治験は国内初になるという。

ここでは、「大阪ワクチンとは?」 「進捗状況と森下教授の進め方は?」に迫ってみました。

「大阪ワクチン」とは?

 

ウイルスそのものを使ってつくる一般的なワクチンと違って、ウイルスの遺伝情報を一部組み込んでつくる「DNAワクチン」 と呼ばれるタイプだ。

遺伝子治療薬の研究開発で長年培ってきた組み込み技術を応用した。

投与すると体の免疫機能が異物と認識し、排除しようと抗体を生み出す。

ウイルスが侵入してきたら、その抗体が働いて抑え込む。

インフルエンザなど多くのワクチンは、ウイルスを弱毒化したり不活化したりして、鶏の卵で増やして製造する。

実際に患者に打ち始めるまでに5~8カ月が必要となり、早期には対応できない。

DNAワクチンはウイルス自体を使用していないため、安全性が高い。

開発から供給までが6~8週間と短く、大腸菌を使って大量生産できる。

もちろん課題はあり、抗体をつくる能力が若干弱いとされている点は今後改良して いきたい。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ 切り札として期待されるワクチンの開発に、大阪大大学院の森下竜一寄付講座教授が挑んでいる。

同大発創薬ベンチャーのアンジェスと組み、臨床治験を7月から行う計画で、効果や副作用を確認しながら、来春の実用化を 目指す

「大阪ワクチン」の進捗状況は?

3月下旬に動物実験用の原液が完成した。

現在はラットやサルなどに注射し、抗体の出来具合や副作用用の有無を調べている。

実験は順調に進み、想定した成果が出ている。

医薬品として国から承認を得るために必要なヒトへの臨床治験は、7月に始められそうだ。

常に感染の危険にさらされている医師らを対象に行う。

2週間で2回接種し、その1カ月後に感染予防効果を確かめる。

まず大阪市立大付属病院の医療関係者 数十人に打った後、9月に大阪府内の 400~500人に広げる。

安全性に問題がなければ、年内に東京や北海道といった感染者の多い地域への 展開を検討する。

正確なデータを得るには多くの参加者が必要になる。

岡山県内の医療機関にも協力を呼び 掛けたいとしている。

森下竜一(大阪大学教授)のワクチン開発は?

森下氏が開発しているのは従来の方法ではなく、DNA(遺伝子)ワクチンという新しい製造法である。

DNAワクチンとは、ウイルス本体ではなくウイルスの遺伝子情報のみを入れる方法である。

ウイルスの遺伝子情報を入れたプラスミドDNAと呼ばれるベクター(運び屋)を体内に入れると、

ウイルスが細胞に侵入する際に用いるSタンパク質(表面のトゲの部分)が大量に発生する。

体内にSタンパク質が大量に存在するようになれば、これに対して抗体ができるというわけである。

従来のワクチンの培養法で必要となる有精卵が国内でほとんど生産されていないのに対して、

DNAワクチンの場合はプラスミドDNAを大腸菌の中に入れて大腸菌ごと増やせることから、大量生産が容易であり、製造コストも安い。

DNAワクチンは保存しやすいとされている。

「ウイルスが変異してワクチンの効力がなくなるリスクはないか」との懸念について、

森下氏は「現段階ではSタンパク質に関する変異が生じておらず、今後もその可能性は低い」とワクチンの有効性に太鼓判を押している。

まとめ

 

遺伝子を用いたワクチン開発は米国勢が先行している。

強固な同盟関係にある日米両国は、「遺伝子ワクチン同盟」を形成して世界に安全な ワクチンを迅速かつ大量に供給する

ことを通じて、 アジアをはじめとする世界の安全保障に貢献 すべきであるのです。

大阪府の行動の速さには、脅威・期待が募るばかりです。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。


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