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新型コロナ感染症の蔓延により、 弱者へのしわ寄せが問題になっておりますが、 とくにアメリカ・ワシントンでは、 黒人問題と絡んで深刻になっております。

ここでは、「ジェントリフィケーションとは?」「黒人問題とワシントンの実態」「日本のジェントリフィケーションは?」に迫ってみました。

ジェントリフィケーションとは?

 

都市の富裕化現象のこと。

1964年に、イギリスの社会学者であるルース・グラスが名付けた。

「ジェントリ」とはイギリスの地主層を指す言葉であり、そういった階層の人が住む空間に都市が変化することを指している。

インナーシティや都心近接低所得地域といった低所得層の居住地域を、再開発や文化的活動などによって活性化することで、

中・高所得層や富裕層が流入するようになる人口移動現象のこと。

「地域の高級化」「都市の富裕化」。

その地域にインフラの整備や治安向上といった恩恵をもたらすため、中・高所得者住民が定住して税収入が増加したり、

新たな雇用機会が確保されたりといったメリットがある。

都市の富裕化現象には、古い住宅の復旧、不動産価格の上昇、中産階級の流入による労働者階級の立ち退きといったプロセスが含まれる。

ジェントリフィケーションはロンドンで初めて確認され、その後ニューヨーク、東京、パリといった場所でも同様の事例が報告されるようになった。

ジェントリフィケーションと黒人問題

ジェントリフィケーションとは貧困地域の再開発を指す。

そういえば聞こえがいいが、中流階級や富裕層の流入を促すのが目的だ。

そこに住んでいた住民は立ち退きを強いられ、郊外への移住を余儀なくされる。

マスグローブ准教授はワシントンを、「貧困層を移住させるジェントリ フィケーションの舵を取る存在」と呼ぶ。

近年、ワシントンの黒人の割合は減少し、2014年に初めて半数を切った。現在は 46%だ。

「ジェントリフィケーションは、勝者 と敗者をもたらす。全てが人種によって左右されるこの国で、都市開発という名の 元に黒人が追い出される。

その開発の恩恵を受けるのはお金を持つ白人だ。 でもそれは黒人の犠牲に成り立っている」。

ジェントリフィケーションと新型コロナとの関係は?

新型コロナの感染者数が死者数とともに世界最悪となった米国。

ウイルスは人種を選ばないはずだが、黒人の間で感染が深刻化している。

首都ワシントンでは、新型コロナウイルスによる黒人の死者数が約8割に及んでいる。

「新型コロナによって、もともとこの町に潜在した格差が浮き彫りになった。

パンデミックが起きたことで、誰の命が価値あるものとされるのか、誰が守られるのかが明らかになった」。

ダニエルさんはこう訴える。

労働省のデータによると、白人の30%は在宅勤務が可能な一方で、黒人の割合は20%を切っている。

黒人やマイノリティーが、公共交通機関、配達業、食料品店、医療機関など、「不可欠」とされる職種の多くを担っている。

つまり、職業による黒人の感染リスクが高い。

日本のジェントリフィケーションは?

日本におけるジェントリフィケーションの事例として、京都市の西陣エリア、大阪市西成区のあいりん地区、石川県金沢市、

東京都中央区などが報告されている。

西陣エリアは西陣織産業の地域内生産が低下したことにより、1970年代半ばから繊維工業の工場数と従業員数が大幅に減少。

また、同エリアにある家屋の老朽化も進んでいた。

そこへ、織屋の跡地を中心に共同住宅が多数建設され、新規居住者が増え、1980年代には人口減少率が低減した。

全国有数の貧困地区として知られる あいりん地区は、2012年から始まった

西成特区構想により、「不衛生」「治安が悪い」といったイメージが薄れた。2022年には星野リゾートが、あいりん地区の近くにホテルを開業する予定もある。

こういった再開発の結果、社会的弱者が町から排除される可能性があるとも言われている。

まとめ

 

ワシントンシティの別名でスラングに「チョコレートシティ」というようです。

新型コロナの発生で、「インナーシティ」「ジェントリフィケーション」の問題点が、

クローズアップされ、もっぱら、黒人問題に波及しております。

これが、アメリカの現状なのです。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。


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