新型コロナウイルスは東京都で感染者が 最多を更新するなど再拡大への懸念が強 まっている。
検査手法で最も信頼性が高いのはPCR検査 とされるが、「感染していないのに陽性となる
『偽陽性』になる可能性もあるのでは」との質問が「みんなの疑問 特別取材班」に寄せられた。
ここでは、「特異度とは?」 「特異度と感度・新型コロナの関係は?」 「東京都の場合は?」 に迫ってみました。
Contents
特異度とは?
特異度(とくいど)とは、臨床検査の性格を決める指標の1つで、ある検査について
「陰性のものを正しく陰性と判定する確率」 として定義される値である。
特異度が高い、とは、 「陰性のものを正しく陰性と判定する可能性が高い」、
あるいは 「陰性のものを間違って陽性と判定する可能性が低い」 という意味である。
対となる表現に感度(敏感度)があるが、特異度は感度との兼ね合いで決まるため、必ずしも特異度のひたすら高い検査が良いとは言えない。
特異度と感度・新型コロナの関係は?
コロナのPCR(RT-PCR)検査は、報道されていることからの一般的なお話で、
感度(コロナ感染者のうち検査で陽性を出す割合)が 70%程度といわれています。
感度は疾患のある人のうち検査結果が陽性となった 人の割合(真陽性率)であり,
特異度は疾患のない人 のうち検査結果が陰性となった人の割合(真陰性率)のことを意味します。
これまでの研究結果を統合したところ、抗体検査の 感度は、LFIA(ラテラルフローイムノアッセイ)の
66.0%からCLIA(化学発光免疫測定法)の97.8%までと、検査法による差が見られた。
感度が66.0~97.8%ということは、2.2~34%の人が 抗体を持っていても検査で見逃される可能性が あることを意味する。
一方、特異度でも、96.6%(LFIA)から99.7% 〔ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)〕までと、 検査法による違いが見られた。
これは、0.3~3.4%の人が、実際には抗体を持って いないにもかかわらず、検査で陽性と判定される 可能性があるということである。
東京都民の検査予想では?
感染を広げている無症状感染者を見つけるために PCR検査を行っても,その感度の低さから見逃しが 多くなる?
無症状の感染者が相当数いるので,少なく見積 もっても東京の感染率は1~2%との指摘がある。
流行地域である(流行地域の定義が不明ではあるが)東京都の人口が1395万人なので,仮に感染者が1%いるとすると139,500人になる。
この人達をPCR検査で見つけたいと考える。PCR検査の診断特性は,感度70%,特異度99.9% としている。
仮にそうだとして計算してみると,偽陰性者数 (感染者のうち検査結果が陰性となる人数)は 41,850人になる。
この4万人あまりは隔離されないので,検査結果が陰性であることで安心してしまい,人と人との接触が甘くなる可能性すらある。
そうではなく真陽性者を確実に隔離することが重要だという。
ところが,真陽性者を隔離するには,それだけの 施設が必要になる。
感染率1%で隔離が必要になるPCR検査陽性患者は 111,460人, 2%では208,971人,そして6%では599,013人にもなる。
これは江東区の人口(51万人)を超える。それだけの病院やホテルをどうやって確保するのだろうか?
まとめ
この「感度」「特異度」の問題は、上記のように 偽陽性者の2週間隔離も問題である。
どの感染率であっても,およそ1万3000人台の非感染者を2週間隔離して自由を制限することになるが,
これは重大な人権侵害にならないだろうか? しかも無症状者である。
日本の“PCR検査数”が少ない理由の一端でもあるのです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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