京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長は 「文藝春秋」6月号で、日本人に感染者数や 死亡者数が少ない背景には、
まだ解明できていない要因「ファクターX」があるはずだ、と述べて話題になった。
その一つがBCGがあるとの意見は以前から あったが、ここにきて、 「ワルファリン感受性」が話題になっております。
ここでは、「ワルファリンとは?」 「ワルファリン感受性とコロナの関係は?」に迫ってみました。
Contents
「ワルファリンとは?」
血管内で血液が固まり、血流を止めてしまう状態を“血栓症”といいます。
また、血栓が流れ、その先の血管を塞いでしまう のが“塞栓”です。
虚血性脳卒中(脳梗塞)や心筋梗塞がその代表です。
血管が詰まってしまうので、その先の組織が障害を受け機能を失ってしまいます。
「ワルファリン」は「抗凝固薬」です。
血管内で血液が固まるのをおさえる強い作用があります。
このため、脳卒中や心筋梗塞の治療に用いられています。
とくに、心房細動という不整脈により生じる 脳卒中‘心原性脳塞栓症’や全身性塞栓症(心筋梗塞、腎梗塞、腸梗塞など)の予防効果が高いことがわかっています。
出血したり、血が止まりにくくなることがあります。
たとえば、歯ぐきの出血、血痰、鼻血、皮下出血、血尿などです。
重症化することはまれですが、消化管出血や脳出血など重い出血を起こす危険性がないとはいえません。
「ワルファリン感受性」のコロナとの関係は?
ファクターXの有力候補に、「ワルファリン感受性」がある。
ワルファリンとは血液を固まりにくくする作用を持つ薬で、世界的に使用されている。
しかしこのワルファリン、国や地域によって効果の出方に差があることが以前から指摘されてきた。
大雑把に言えば、アジア系の人には効きやすく、 アフリカ系の人は効きにくい。
同じアジアでも日本を含む東アジア系は最も効きやすく、南・中央アジアの人には効きにくい。
ヨーロッパの人の効き方は、東アジアとアフリカの中間くらい――とされている。
この傾向が、新型コロナの重症化率の傾向 と重なるのだ。
「ワルファリンが効きやすい遺伝子の タイプの人は、ワルファリン服用の有無 にかかわらず、血栓ができにくい体質を 持っており、
このことが新型コロナウイルス 感染症の重症化を防ぐことに繋がって いるのかもしれない。」
「ファクターX」の探求は?
「ファクターX探し」は世界中の研究者が 取り組んでいるが、現状では「相関関係」 であって「因果関係」までは到達していない。
最近では「結局のところ、最大のファクターXはマスク着用率の差なのでは?」という意見も増えてきた。
しかし、大隅教授は「生物学的要因」の追及をあきらめない。
生物学的なファクターXが明らかになれば、予防法や治療法の開発に役立つことは明らか だからだ。
まとめ
「ファクターX」探しは、時間がかかります。
“遺伝子レベル”の研究にまで拡大しました。
世界的な進め方が必要になってきました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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