新型コロナウイルスによって重症化するか
どうかを尿の検査で予測できる可能性がある
という研究成果を国立国際医療研究センターの
グループが発表しました。
尿に含まれる特定のたんぱく質を調べるもので、
今後、患者数を増やして実用化に向けた
研究を進めるということです。
ここでは、「L-FABPとは?」
「検査方法と検査キッドは?」
「新型コロナ重症化検出の効果は?」
に迫ってみました。
Contents
L-FABPとは?
L-FABP(エル・ファブ)とは腎臓の
近位尿細管に存在する 脂肪酸結合蛋白で、
腎障害が進行する前の 尿細管周囲の血流
不全による酸化ストレスに よって尿中に
排出されます。
尿中のL-FABPの値が高くなることで
腎障害 進行・悪化を早期に評価できる
尿検査です。
検査結果で腎機能のリスクがあれば
予防対策をとって、早い段階からリスクを
回避して頂けます。
L-FABPの検査方と検査キッドは?
測定内容は「尿中のL型脂肪酸結合蛋白
(L-FABP)の測定」 糖尿病や腎障害の
検査で通常使用されている。
体内の酸素が少なくなると尿に多く出る。
標準L-FABPまたは尿検体を前処理液で
処理後、反応緩衝液を分注した 抗
L-FABP抗体固相化プレートに添加します。
プレートを洗浄し、二次抗体として
酵素標識抗体を添加します。
反応後洗浄し、基質溶液を加えて酵素反応を
行い、吸光度を測定します。
L-FABPの新型コロナ重症化検出の効果は?
研究を行ったのは国立国際医療研究センターの
グループです。
グループでは新型コロナウイルスに感染し、
当初、軽症だった41人について、体内の
酸素が少なくなると尿に多く出てくる
「LーFABP」というたんぱく質の量と
症状の変化の関係を調べました。
その結果、尿検査でこのたんぱく質の量が
正常よりも多かった13人のうち、 8人で
1週間後に症状の悪化がみられ、 このうち
2人が人工呼吸器が必要なほど 重症化しました
一方、たんぱく質の量が正常だった28人は
1人は症状が悪化しましたが、重症化した
人は いませんでした。
L-FABP量が多かった人は悪化リスク約17倍
高いことが判明。
グループによりますと、このたんぱく質は
既存の検査キットで検出できるということで、
尿検査で重症化を予測できる可能性がある
として、今後、さらに人数を増やして研究を
進めることにしています。
新型コロナで体内の酸素が少なくなる理由は?
【可能性‐1】肺炎
肺の機能が下がり酸素を十分に体内に運べなくなる。
【可能性‐2】血栓症
臓器へ必要な血液が流入せず、酸素がいきわたらない。
野入英世博士のプロフは?
🔸名前:野入英世(のいりえいせい)
🔸生年月日:1964年?月?日(56歳)
🔸学歴:医科大学医学部医学科卒業
ニューヨーク州立大学Stony Brook校
(Prof. M.S. Goligorsky)
米国ブルックヘブン国立研究所(bnl)
🔸職業:: 東京大学医学部 附属病院血液浄化
療法部 准教授,
副部長 国立国際医療研究センター、
浜松 腎臓内科専門医、
同研究センター中央バイオバンク事務局長。
「尿による新型コロナ重症化予測」
研究グループ責任者。
まとめ
「感染者が重症化するかどうかが尿検査で予測」
できる可能性があるとすれば、大きな発見です。
実用化の最大メリットは?
① 軽症でもコロナの影響で体内の酸素が
少なくなっている可能性がある。
② 今後は、軽症者、無症状者全員に尿検査を
行い、重症化の恐れがある人は、医療機関に
優先的に紹介できるようにしたい。
今後の研究に期待しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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