中国で新たな感染症「新型ブニアウイルス」が発生し、現在まで少なくとも62人が感染し、7人が死亡した。
また、安徽省では今年4月以降、すでに23人が感染しており、そのうち5人が死亡。
ここでは、「新型ブニアウイルスとは?」「新型ブニヤウイルス感染症になるとどうなるの?」「日本の例は?」
に迫ってみました。
Contents
新型ブニアウイルスとは?
新型ブニヤウイルス感染症は、中国江蘇、 山東、浙江各省の一部地域で今年に入って から感染が確認され、
8月に入ってから 徐々に報告数が増えつつある感染症です。
新型としていますが、初めて流行ったのは 2010年頃、この病気の報告が挙がったのが 2011年としています。
そのため、新型コロナウイルスのように全く新しいウイルスというわけではなく、既に 一度流行をしていたウイルスとなります。
新型ブニヤウイルス感染症とは、SFTSウイルス (ブニヤウイルス科フレボウイルス属)に感染 することによって起こる感染症です。
感染経路は主にマダニに噛まれることであり、 タカサゴキララマダニとフタトゲチマダニの 成虫に噛まれることで感染します。
ほかにも、中国では患者の体液や血液との接触によって感染した例も報告されています。
中国の報告は?
中国メディアによりますと、江蘇省南京市に住む60代の女性は40度の高熱が続いて せきとだるさもあったため病院に行ったところ、
新型ブニヤウイルスに感染したと診断されました。
同じ病院では今年に入り、合わせて37人の感染が確認されているということです。
安徽省でも4月以降、23人が感染してそのうち5人が死亡し、浙江省では2人が死亡しています。
専門家は新型ブニヤウイルスに感染した場合、白血球の減少や体内の出血などが見られるとしています。
新型ブニヤウイルス感染症になるとどうなるの?
新型ブニヤウイルス感染症の原因となるはSFTSウイルスは6~14日間の潜伏期間を 経て感染が成立します。
1~7日間、38度を超える発熱が見られます。
また、嘔気、嘔吐、下痢、下血、腹痛といった消化器系の症状、頭痛、筋肉痛、出血症状、リンパ節の腫脹などが見られます。
検査をすると、血小板や白血球の減少が見られ、出血しやすい状態となっています。
他にも肝機能の低下が見られます。
軽症の場合にはこのまま自然に治癒していき、約2週間ほどで完治に向かっていきますが、
重症化すると感染から8日~14日以内に 臓器不全に陥る等命の危険を伴います。
症状はほかの疾患でも起こることのあるもののため、新型ブニヤウイルス感染症であるかどうかの判断が非常に難しく、
新型ブニヤウイルス感染症がまだ認知されていなかったときには、HIV感染に似た症状であったためいわゆる「陰性エイズ」というように呼ばれていました。
特異的な治療方法や特効薬がないため、対処療法が中心となります。
日本での感染例は?
実は、新型ブニヤウイルスは過去に 日本での感染事例があります。
日本で初めて感染が報告されたのは 2013年なのですが、国際感染症センターで 調べたところ、
2005年にも患者が発生して いたことが報告されています。
日本での感染者についてのデータを見てみると、男女比は2:3で女性が多く、
60歳~80歳代の方に感染者が多い傾向にあり、特に、70歳代の方が多く感染しています。
死亡率は33%程としており、感染者の約3人に1人が死亡しているということになります。
特に5月に感染する方が多く、次に7月、8月の感染者が多い傾向にあります。
まとめ
全体的には公衆衛生上の影響は小さいと評価されました。
良い診断方法と治療方法があります。それほど心配することはないようです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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