東北大学と島津製作所は、息から検体を採取して新型コロナウイルスの感染を調べる新しい検査システムを開発したと16日発表しました。
痛みを伴わない画期的な検査方法の開発です。
ここでは、「新型コロナ検査法(呼気オミックス解析法)とは?」今後の展開は?」
に迫ってみました。
Contents
新型コロナ検査法(呼気オミックス解析法)とは?
新型コロナウイルスの検査では、鼻やのどの奥から粘液を採取し、分析にかける方法が広く使われています。
ただ、採取には痛みを伴い、幼い子どもなどから確実に検体をとるにはハードルが高いのが現状です。
東北大と島津製作所が新しく開発した呼気による検査システムは、吐いた息を結露させて専用の装置で処理をし、分析器でウイルスの有無を調べます。
従来の⿐や⼝(咽頭)からの試料採取・検査システムに替わる、自然に吐く息(呼気)を用いた無侵襲呼気オミックス解析法による検査システムを開発しました。
従来の検査では、鼻の奥など感染が広がった部分からサンプルを採取しますが、呼気の場合は肺や気管支の状態を診ることができます。
また、従来のPCR検査は新型コロナウイルスにターゲットを絞り、特定のDNAを増やして感染の有無を調べていました。
この分析方法では、新型コロナウイルスといった特定のウイルスの検出だけでなく、
呼気中に含まれる別のウイルスや体の異常を引き起こすタンパク質なども検出することが可能です。
本解析法では、試料採取を簡便にするほか、多面的な解析結果が得られます。
また、様々な感染症対策としても有効なほか、心血管・肺疾患、生活習慣病、動脈硬化、
糖尿病などの代謝性疾患、がんなどの診断や健康管理、未病予防にも応用できます。
新型コロナ検査法(呼気オミックス解析法)の今後の展開は?
東北大学と島津製作所は、呼気オミックスの応用範囲を感染症以外の病気の診断や健康診断などの健康医療分野へと広げることで未来型呼気医療に展開いたします。
さらに、呼気や環境、ゲノム(遺伝子)といった各種オミックス解析情報のデータベースを構築することで、
呼気医療による、心血管・肺疾患、生活習慣病、糖尿病などの代謝性疾患、がんなどの診断のみならず、
呼気オミックスを活用した在宅での健康管理・健康診断などの遠隔医療を通じて、未病・予防と長寿に資する個別化未来型医療の開発を推進します。
島津製作所は、東北大学と開発した検査システムの社会実装のために、
「前処理から質量分析、データ解析までの工程を自動化するトータルシステムの開発」
「全国各地の中核病院や検査機関への検査システム水平展開と感染症対策ネットワーク構築」
に取り組みます。
オミックスとは?
オミックスとは?代謝物やタンパク質等の生体分子を網羅的に解析する技術です。
オーミクスは、ギリシャ語の「すべて・完全」などを意味する接尾辞 (ome) に「学問」を意味する接尾辞( ics) を合成した言葉である。
サンプル形態は特に限定されず、鼻腔・咽頭ぬぐい液、唾液、血液、尿、糞便など。
環境オミックスでは、粉塵やダスト(下水)を分析可能。 呼気オミックスでは、
吐いた息を採取し、エアロゾル注3中のウイルスタンパク質・ゲノムと同時に被験者由来の炎症メディエータや
エネルギー代謝物を効率良くかつ安全に回収し、ロボット化全自動高速・超高感度オミックス解析を行う。
まとめ
少し難しいですが、まだこれからの技術で、開発が急がれます。
東北大では臨床試験でデータを集め、早ければ1年後にも実用化に向けた申請を目指したいとしています。
新型コロナに関する研究が、徐々ではありますが進んでいることに期待するものです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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