アトピー性皮膚炎の一番の特徴はかゆみ. アトピー性皮膚炎で患者さんが最も苦しめられる症状は“かゆみ”です。
すなわち、かゆいところを引っ掻くと痛みの神経回路が活動し、それがかゆみの神経回路の活動を鎮めるわけです。
アトピー性皮膚炎の患者さんでは「掻いても掻いてもかゆい」と訴える場合があります。
ここでは、この「かゆみとはなにか?」「どうしてかゆくなるの?」「かゆみ対策は?」
に迫ってみました。
Contents
かゆみとはなにか?
かゆみは、「引っ掻きたくなるような不快な感覚」と定義されますが、実は、かゆみは体(カラダ)を守る防衛反応のひとつなのです。
皮膚に異物が付いた際に、かゆみを感じることによって、異常が起きている場所を私たちに知らせ、
その異物を掻いて取り除こうとする行動を起こすことから、かゆみは一種の生体防御反応であると考えられています。
痒み(かゆみ)とは、皮膚と眼瞼結膜、鼻粘膜に起こる、引っ掻き反射を引き起こす感覚を指す。
痒みが発生すると、むずむずとした不快な感覚(掻痒感)を感じる。(Wikipedia)
どうしてかゆくなるの?
「いたみ」や「かゆみ」は大切な皮膚感覚の1つです。
興味深いいことに、「いたみ」は皮膚だけでなく体内でも感じますが、「かゆみ」は体内の臓器では感じません。
胃がいたいということはあっても、胃がかゆいと感じることはありません。
皮膚に分布しているかゆみ神経は、体の表面近くまで伸びています。
皮膚炎が起きると、皮膚から神経を成長させる物質がたくさん分泌され、神経線維がたくさん伸びてかゆみを強く感じるようになると考えられています。
かゆみを引き起こす物質としてヒスタミンが有名ですが、その他にもいろいろな物質がかゆみを引き起こすことがわかっています。
皮膚炎が起きると、皮膚に存在する肥満細胞という細胞からヒスタミンやその他のかゆみ物質がたくさん分泌されます。
かゆみ神経にはヒスタミンと結合する受容体という場所があり、ヒスタミンがその受容体に結合すると、かゆいと感じるのです。
また、アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は、掻くとボロボロに皮膚がむけたり、血やしるがでたりします。
それは、アトピー性皮膚炎のように炎症が起きた皮膚は、膨らんで中がスポンジのようになり、しるが溜まって破れやすくなっているためです。
アトピーとかゆみ・対策は?
アトピーのかゆみというのは、我慢が出来ないという人も多いのではないでしょうか。
アトピーのかゆみは、なぜ我慢できないほどのかゆみなのでしょう。
我慢が出来ないくらいにかゆみを伴いますから、大人でも、わかってはいてもひっかいてしまう人は多いと思います。
子どもや乳幼児の場合には、さらにかゆみに対して我慢ができなくなりますから、掻き毟ることもあるのではないでしょうか。
そしてアトピーのかゆみに負けてひっかいてしまった部分の皮膚というのは、さらに乾燥を繰り返して、アトピーの症状が悪化してしまうのです。
アトピーのかゆみは、皮膚を引っ掻くことによって、皮膚炎を併発することになります。
皮膚炎というのは、皮膚のアレルギー反応をより活発にして、アレルギーの原因にアンっている物質を、すぐにでも排除してしまおうと働く仕組みになっています。
ですが、アトピーの肌を引っ掻くと皮膚炎になり、それが悪化してしまうと、かゆみは益々かゆくなり、また引っ掻くという、悪循環を繰り返します。
アトピーのかゆみは、ただ単に痒いだけではなく、かゆみが気になって仕事が手につかなかったり勉強が手につかなくなったり、
中には夜に眠れないほどのかゆみを伴うという人もいます。
こうしたアトピーのかゆみが原因で、普通に生活をすることができなくなり、ストレスがたまり、そのストレスがさらにホルモンのバランスを崩すことになるのです。
悪循環になりやすいアトピーのかゆみは、引っ掻くことをやめること、かゆみを抑えることが大切です。
かゆみ対策は?
つらい肌のかゆみには、症状の悪化を防ぐだけではなく、かゆみを繰り返さないよう肌のバリア機能を回復する対処・治療が必要です。
また、かゆみを我慢して放っておくことも、症状を悪化させ、さらなる肌トラブルの原因となります。
🔸かゆみの応急手当「かかずに冷やす」
かゆいのを、かかずに我慢するのはつらいものです。
かゆみが強いときは、肌を冷やすのがおすすめです。
冷たいおしぼりや、氷を入れたビニール袋や保冷剤をタオルでくるみ、かゆみのある部分に当てます。
かゆみが鎮まって楽になりますよ。
🔸皮膚科を受診すべき症状・疾患 皮膚科を受診しましょう。
原因がはっきりしていても、症状が手のひら2枚分を超える広範囲の場合は、 皮膚科で診察を受けてください。
また、顔面の場合は症状が狭い範囲でも、治りにくいケースもあります。
症状が長引くようであれば、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
🔸市販の薬を活用したセルフメディケーション
原因(虫さされやかぶれなど)がはっきりした症状や、短期間で治る疾患には、市販 の薬を活用した対処・治療ができます。
早期に治療を開始できて、改善できるのがセルフメディケーションのメリットです。
ただし、治療が適切でない場合はかえって症状を悪化させてしまうこともあります。
薬剤師に相談の上、自分の症状、使用する部位に合った薬を購入することが大切です。
症状が重い・広範囲の場合や、市販の薬を使用して1週間程度経過しても症状の改善が見られない、
一度治っても何度も再発する場合は、皮膚科で診察を受けてください。
かゆみ予防法は?
かゆみを予防する上で大切なのは、肌のバリア機能を低下させないことです。
自分の症状の原因がはっきりしている場合は、それが肌に直接触れないようにします。
原因がはっきりとわからない場合でも、肌を清潔に保つことで原因を減らすことができます。
かゆみを予防する上で大切なのは、肌のバリア機能を低下させないことです。
自分の症状の原因がはっきりしている場合は、それが肌に直接触れないようにします。
原因がはっきりとわからない場合でも、肌を清潔に保つことで原因を減らすことができます。
以下に箇条書きに示します。
🔸‐1:肌の乾燥を防ぐ
保湿剤を塗り、肌を乾燥から守るケアを心がけましょう。
ドライスキン(肌が乾燥した状態)を予防することが大切です。
🔸‐2:紫外線を防ぐ
🔸‐3:入浴習慣を見直す
体を洗う時はタオルなどを使わずに、なるべく少量の石けんやボディソープを充分に泡立てて、優しく洗いましょう。
お風呂は40℃以下の熱すぎない温度に設定します
🔸‐4:質の良い睡眠をとる
🔸‐5:バランスのとれた食事をする
乾燥肌にはサバやイワシなどの青魚や、かぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜もおすすめです。
🔸‐6:皮膚への刺激が少ない衣類を選ぶ
🔸‐7:汗をかいたら、そのままにしない
まとめ
「かゆみ」に原因と「予防法」をいま一度見直して再確認してください。
快適な生活を送りましょう!
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最後までお読みいただきありがとうございます。
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