今年のインフルエンザは新型コロナウイルスと同時に流行する「ツインデミック」の可能性が懸念されているということを忘れてはいけません。
同じ呼吸器系の疾患を引き起こすので区別がつき難く、流行時期が重なることで疾病の特定や治療の開始が遅れる
……医療機関のパンクが想定される……といった危険性も。
ここでは、「ツインデミックとは?」「インフル・コロナ同時感染は?」「インフルとコロナの違い・見分け方は?」
に迫ってみました。
ツインデミックとは?
“twindemic” とは簡単にいうと「同時流行」のことです。
北半球ではこれからインフルエンザの季節を迎えますが「インフルエンザの流行」と「新型コロナ(COVID-19)の感染拡大」が同時に起こることを指して使われるようになった単語です。
8月中旬にニューヨークタイムズの記事の中で初めて使われてから急速に広まった言葉のようです。
たとえインフルエンザの流行がマイルドでも、すでに新型コロナで逼迫している医療に大きな影響が出てしまうからですね。
また、皆さんご存じの通り、新型コロナとインフルエンザの症状はよく似ています。
ニュージーランドではコロナの症状を表す表現の1つとして “flu-likesymptoms” とよく言われていますが、
このように見分けがつきにくいということも医療機関への大きな負担となるようです。
インフル・コロナ同時感染は?
日本では厚生労働省が国内約5千カ所の医療機関のインフルエンザ発生状況を、毎年9月に入る第36週から調べる。
今年の第36週(8月31日~9月6日)の報告は、岐阜県、大阪府、沖縄県から1件ずつ、合計3件だけだった。昨年の第36週は3813件。
岩手、山形、島根の3県を除くすべての都道府県から報告があった。
一昨年は338件だった。 インフルエンザ発生が少ない一因として、新型コロナウイルスの感染予防対策の効果が考えられる。
「ウイルス干渉」の可能性を指摘する専門家もいる。
2種類のウイルスに同時に感染すると、体内でウイルス同士の競合が起こり、片方のウイルスの増殖が抑制される、というのだ。
だが、基本的な感染防止対策まで緩めるわけにはいかない。
季節性インフルエンザの流行規模は、もともと新型コロナウイルスよりはるかに大きい。
国内の感染者数だけで通常、1シーズン約1千万人だ。しかも、発熱など新型コロナウイルスと症状が似ている。
インフルとコロナの違い・見分け方は?
新型コロナ、インフル、普通のかぜのちがいを、国立国際医療センター(新宿)の忽那医師がわかりやすくまとめてくれています。
インフルエンザワクチンや他のワクチン接種で、新型コロナの重症化が減少するという論文も紹介しています。
やはり今年は、インフルエンザのワクチンをしっかり受けましょう。
症状はよく似ていますが、それ以外についてはどうでしょう。
まず、感染経路はどちらも飛沫が主であることが共通しています。
重症化しやすい人も、高齢者や基礎疾患のある方というところは共通していますが、インフルエンザでは2歳未満の小児もハイリスクとされます。
潜伏期はインフルエンザが1~4日、新型コロナが2~14日であり、症状の持続期間も典型的にはインフルエンザでは1週間程度で改善するのに対し、新型コロナでは2~3週に及ぶことがあります。
また、新型コロナでは発症する前にも他の人に感染をうつしてしまうことがあり、これは発症後に感染性のピークがあるインフルエンザとの大きな違いです。
まとめ
例年インフルエンザ流行前に、特にハイリスクの方はインフルエンザワクチンを接種することが推奨されています。
インフルエンザワクチンは、もしかしたらですが、新型コロナにも良い影響があるかもしれないという研究も出てきています。
ともかくインフルワクチンは、忘れずに受けましょう!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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