WHOは、「我々はウイルスと闘っているだけではない。ミスインフォメーションを流布し、感染症対策を妨げるデマや陰謀論者とも闘っているのです」
と語っています。
どういうことでしょうか?
ここでは、「インフォデミックとは?」「インフォデミックの例と影響は?」「WHOの対応は?」
に迫ってみました。
Contents
インフォデミックとは?
インフォデミックとは、大量の情報が氾濫するなかで、不正確な情報や誤った情報が急速に拡散し、
社会に影響を及ぼし、 信頼できる情報源や知識が必要な時に見つけにくくなってしまう状態を指します。
英語のインフォーメーション(Information)とパンデミック(Pandemic)を組み合わせた造語で、
WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)に関するフェイクニュースの拡散を「インフォデミック」と呼んだことで広まった。
インフォデミックの例は?
🔸アメリカでは、新型コロナウイルス感染症の治療薬としてヒドロキシクロロキンが有効だと聞いた男性が、クロロキンを含有した水槽浄化用の薬品を服用し死亡しました。
🔸イギリスでは、5Gの電波がコロナウイルスの発生と関連しているという噂がインターネットで流れ、5Gの基地局アンテナが次々と放火される事件がありました。
🔸イランでは、高濃度アルコールの摂取が新型コロナの治療に効果があるというフェイクニュースが広がり、信じてメタノールを飲んだ人のうち、700人以上が死亡。
🔸インドではSNSの偽情報を信じた多くの人々がウシの尿を飲んだり、糞の風呂に入った。
🔸ウガンダでは、地元コミュニティで魔術や薬草が感染症の治療法として広まっていること、またウガンダで精製されたワクチンがあるという噂まで流れていることがわかりました。
🔸スペインでは陰謀論者や自由論者、ワクチン反対者などが「ウイルスは存在しない」「マスクは命取りになる」「われわれは恐れない」
などと書かれたカードを掲げてストライキに参加、こういった行動も根拠のない情報の拡散を拡大させる一つである。
🔸日本においても、テレビやネットなどで「○○に効果がある」と流された情報を鵜呑みにし、特定の商品を買い占める現象が頻繁に起こっている。
例えば、「納豆が体に良い」という情報がひとたび流れると、翌日にはスーパーから納豆が消え、 トイレットペーパーが品薄だとSNSで誰かが言い出せば、店に駆け込む。
同様に、うがい薬などほかの商品についても、根拠のない情報による買い占めが多く起こっている。
インフォデミックの影響は?
WHO事務局長テドロス氏は、情報の氾濫がデマの拡散や誤解だけでなく、以下のような側面から人々の健康阻害につながることを強調している。
「我々はウイルスと闘っているだけではない。ミスインフォメーションを流布し、感染症対策を妨げるデマや陰謀論者とも闘っているのです」
と語っています。 • 根拠のある情報に基づいた正しい健康情報の識別が難しくなる。
• 不安などによって心の健康の問題が生じる。
• 誤解をまねくような、または危険なアドバイスを信じてしまう。
• 公衆衛生に関する情報に対し、無関心や嫌悪感などを抱くようになる。
• 排外主義や、憎しみ、排除が助長される。 特に、憎しみや排除の感情は、長期的に人々の健康や人権に悪影響を及ぼすとされている。
実際にヨーロッパを中心としたアジア人差別などは、直接的な身体的健康ではなくとも、差別や偏見、
憎悪といった感情による人間関係の悪化などを招き、社会全体にネガティブな影響を与える。
WHOの連帯資金による資金提供は?
WHO、ユネスコ、国際電気通信連合、国連グローバルパルスで結成されたインフォデミックに対応するための新しい国連アライアンスは、本基金から約450万ドルの資金提供を受けました。
これにより、コミュニティに根差した活動およびソーシャルリスニングを使った情報収集の規模拡大や、
ファクトチェックとミスインフォメーション関連の情報を統合して扱う専門センターの創設などが可能となり、
インフォデミックに対応するためのツールを各国に提供することが可能になります。
また6月29日に開催された世界初となるインフォデミックに関する会議には、多様なバックグラウンドを持った科学者たちが集い、
科学的根拠のある方法で、この問題への取り組みと状況改善を目指すことについて話し合いました。
前代未聞のインフォデミックと闘うためには、これまでにはない新しいアイデアとアクションが必要となります。
まとめ
偽の情報はウイルスよりも早く広がると言われる。
もちろんウイルスから身を守るために対策を講じることは重要だが、ウイルス同様に人に悪影響を及ぼしかねないフェイクニュースには十分に気を配る必要がある。
第3波、第4波が到来が懸念されている現在、今後どんな偽情報が出るかわかりません。
気を付けていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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