新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する中、広島県は、広島市と福山市の事業所の56万人を対象とした大規模なPCR検査を10日から開始しました。
広島県内では感染が急速に拡大していて、県は8日から「集中対策期間」として感染対策の強化を呼びかけています。
ここでは、「大規模PCR検査(広島県)とは?」「大規模検査の方法は?」「湯崎英彦知事の回答は?」
に迫ってみました。
Contents
大規模PCR検査(広島県)とは?
県は症状がなくても感染している人を把握したいとして、特に感染拡大が懸念されている広島市と福山市の10人以上の事業所で働くおよそ56万人を対象にした大規模なPCR検査を10日から始めました。
検査は任意で、県は対象の半分のおよそ28万人が受けると見込んでいるということです。
検体を提出したアルバイトの男性は「自分も心配ですし、誰かを感染させてもいけないので受けにきました」と話していました。
大規模PCR検査(広島県)方法は?
PCR検査の流れは、
① 事業所が電話・HPで県に予約・・広島市、福山市、全事業所、
② 検査キッドが事業所に送られてくる。
③ 従業員は、自宅で採取した“唾液”を検査機関に送付。・・対象は17000社、約56万人。
④ プール方式でまとめて検査機関に送付。
⑤ PCRセンターで検査、薬局でも検査キッドは購入できる。
⑥費用:約13億円、半分は国が補償。
⑦期間:5月28日まで。
大規模PCR検査(広島県)意義・目的は?
県では、感染が再拡大すれば、医療への負荷も大きくなり、社会経済活動への影響もさらに長期化する恐れがあることから、「感染を低い水準に抑え込むことが非常に重要」と考え、「集中対策」に取り組んできました。
結果として、飲食店を通じての感染は減少傾向にあります。
職場については、テレワークの推進などを、家庭内についても体調の悪い方は医療機関の早期受診をお願いし、医療機関での検査体制も整備してきました。
しかしながら、市中での感染はまだ継続しています。 どこにいるか分からない無症状や軽症の方からの感染については、ターゲットを絞った対策は非常に困難です。
そのために… PCR検査の集中実施により無症状者・軽症者からの感染拡大をできる限り遮断します。
この検査の集中実施以外で見つかる感染者が少なくとも、本県独自で定めている警戒基準値を下回るところまで抑え込んでいきたい。
🔸無症状者・軽症者の方を見つけて、感染の経路を断ち切ること
🔸無症状者・軽症者が、無自覚のまま、職場や家庭へ持ち込む感染は対策が難しい
🔸「早く、強く、短く」という考え方のもと、広島市の特に感染者が多い地域で、PCR検査を集中的に実施し、
感染の経路を可能な限り断ち、確実に感染拡大を抑え込みたい これにより、再び、積極的疫学調査により、感染拡大が抑え込めるようになると考えています。
湯崎英彦知事の答は?
Q:どれくらい無症状感染者が発見されると?
A-1:感染者が見つかると、基本的にはホテル療養、
A-2:市中感染が、思ったより広がっていれば、自宅療養もある。
Q:どれくらい発見されるか?
A-1:陽性率を0.3%として求めると、800人強(目標28万人×0,3%)が発見される。
A-2:チェンもあるので全部合わせると、2000人超が発見されると予想している。
Q:大規模実施で“スクリーニング”も含んでいるのか?
A-1:含んでおります。
A-2:東大の合原一幸教授の研究がある。
・感染拡大の3つの要素がある。
1・隔離率・・・・上げるほど感染者の増加は抑えられる。
2・感染率
3・外出する人の量
Q:政府の分科会では、「広範な検査で、感染抑制に成功したエビデンスはない。」とあるが?
A-1:焦点は「どれだけ多くの感染者を発見するか?」「どれだけ多くの感染者を非感染者と接触しないようにするか?」なのです。
・ともかく接触しないでください→外出しないでください。
・休業してください。 となるので、全国的には“兆”コストはかかるのです。
その意味で、個別に発見していくのは、圧倒的にコストは安いのです。
Q:大規模検査に反対するのは、“偽陽性”があると言われているが?
A-1:課題はあるが、実際は99%以上でないのです。
A-2:メリット・デメリットがあるが、メリットの方が大きいのです。
Q:感染を抑えること以外には?
A-1:昨日(5月12日)の感染者数が過去最高の218人に達して、これだけ上回ると検査だけで、止めると言うのは難しいので、
・一定地域で、飲食店の時短営業などお願いする。
・県全体では、人流・人出を50%削減する目標が必要。
Q:大規模検査の実効性を高めるには?
A-1:しっかり検査を受けていただくこと、すなわち県民の協力が成功の”鍵”になるのです。
A-2:臨時スポット、薬局334店舗で検査キッド(無料)配布している。
A-3:意識は高まっている。
合原一幸教授の研究の“ポイント“とは?
◆新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染者数変化の動向をみると、首都圏のように特定の地域で感染者数が急増する流行現象がみられる。
本論文では、このような急増が発生する前に、その予兆をその地域の感染者数の時系列データから検知するための数理データ解析手法を構築した。
◆日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国などの実際のデータを用いて、感染者数急増の予兆が検知出来ることを実証した。
◆本数理データ解析により、感染者数が実際に急増する前にその予兆となる早期警戒信号を検知して、流行発生前の早期に諸対策を講じる可能性が拓かれた。
まとめ
広島県の直近1週間の10万人当たりの感染者数は、35,68人(ステージ4の基準25人を上回る)で、5月12日には218人と過去最高を記録しました。
広島県の「大規模PCR検査」は、合原教授の「感染者の増加率」推定のポイントに基づいております。
湯崎英彦知事の回答が非常に、明快です。
田村厚労大臣は、「国としても協力していく」と言っております。 成果が期待されます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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