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現行の新型コロナウイルスワクチンは、重症化や死亡を防ぐ効果に優れ、変異型のウイルスに対してもかなりの防御力を発揮する。

しかし、感染を100%防げるわけではない。

そこで科学者らは、より強力で長続きする免疫をもたらす新しいワクチンの投与方法を模索している。

有望な方法の1つは、腕に注射する代わりに、鼻の中に噴霧する「経鼻ワクチン」だ。

ここでは、

「鼻ワクチン(鼻で吸う)とは?」「三重大学・北里大学の進捗は?」「実用化の時期は?」

に迫ってみました。

鼻ワクチン(鼻で吸う)とは?

腕にワクチンを打てば、抗体やT細胞(病原体に感染した細胞の除去や免疫の調整などを担う重要な免疫細胞)が血管全体に分布するような、全身的な規模での免疫を作り出す。

だがこの方法では、免疫細胞がウイルスの侵入箇所に集中しないため「最適ではない」という。

一方、経鼻ワクチンは、上気道や、可能性としては肺の免疫も大幅に向上させ、局所的な抗体の反応やT細胞の応答を引き起こす。

おかげで免疫細胞は、ウイルスが到着してすぐにそれを捕らえ、破壊できるようになる。

「大きな利点は、感染部位で免疫を生み出すところだと思います」 と米コロンビア大学の免疫学者、ドナ・ファーバー氏は語る。

「ウイルスが入ってくる場所にこそ免疫が必要です」

三重大学の新型ワクチンとは?

 

三重大学が菰野町のベンチャー企業「バイオコモ」と共同で開発中の、この「鼻ワクチン」。

鼻にシュッとスプレーして投与するタイプで、「次世代型ワクチン」として今開発に注目が集まっています。

野阪教授らが開発を進める「鼻ワクチン」では、スプレーすると鼻や喉などの粘膜に抗体を多く形成。

ウイルスを「入口」でブロックし、感染を防ぐ可能性が高まるといいます。 注射針を使わないことで医療従事者への負担が大幅に減り、

注射時の緊張やストレスから、失神などの「血管迷走神経反射」を引き起こす可能性も低いといわれています。

北里大学の新型ワクチンは?

 

 

北里大学の片山和彦教授らの研究グループは、こうした課題を解決しようと、鼻から吸い込むことで、

ウイルスが最初に感染する鼻の粘膜に抗体を作る新たなタイプのワクチンの開発を進めています。

このワクチンは、免疫の反応を引き起こすたんぱく質を、「分子ニードル」と呼ばれる細胞の中で溶ける極めて微少な針状の分子を使って注入するもので、

鼻から吸い込むことで鼻の粘膜に局所的に抗体を作りだして感染を防ぎます。

実用化の時期は?

実用化には大きな課題があるといいます。

「100億円とか、お金がかかってきてしまう。そこの予算をどうするか。一刻も早く、日本だけではなく世界で使われるように。特に途上国も含めて、世界中で使われるようになってほしい」

と、野阪哲哉・教授は話したのです。

野阪教授は、早ければ2年後には実用化できればと話しています。

北里大学・山教授は「新型コロナウイルスは抗体のでき方に個人差があり、どれだけ維持されるかも分からない。安心を届けるために開発したい」

と話していて、 早ければ来月には動物実験を始め、効果を確かめたいとしています

まとめ

野阪教授(三重大学)は、

「痛みは全くないです。動物実験だと副反応は全然みられていないです」

「開発途上国などで使うにしても非常に利便性が高いのではないかと。

保存も輸送も楽ということで、世界中に(ワクチンを)送って同時に鼻から投与すれば、2週間後には少なくとも数か月は一切感染しない状況を作り出すことができますので」

と話しており、開発の期待が膨らんでおります。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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