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イギリスの製薬会社などが開発した新型コロナウイルスの新しい治療薬について、

厚生労働省が早ければ今月中にも承認の可否を判断する調整をしていることが分かりました。

新しい治療薬「ソトロビマブ」はイギリスの製薬会社「グラクソ・スミスクライン」などが開発し、6日に厚労省に承認申請されました。

ここでは、「ソトロビマブとは?」「ソトロビマブの効果と厚労省の対応は?」「他国の対応は?」

に迫ってみました。

ソトロビマブとは?

ソトロビマブは軽症から中等症の患者に投与する点滴薬です。

ソトロビマブは、GSKとVir Biotechnology(本社:米国、以下Vir社)が研究開発を行う新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)モノクローナル抗体です。

海外臨床試験(COMET-ICE試験)では、重症化リスクの高い軽症から中等症のCOVID-19の成人患者さんにおいて、入院または死亡のリスクが有意に低下することが示されました。

本試験に参加した1,057例全例の有効性に関する主要解析において、投与29日目までに24時間を超える入院または死亡(死因は問わない)を、

プラセボと比較して79%低減し(補正相対リスク減少)(p<0.001)、試験の主要評価項目を達成したことが報告されています

ソトロビマブの効果は?

海外の治験では入院や死亡のリスクを約8割減らす効果が確認されたということです。

英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)によると、ソトロビマブは、ウイルスの変異しにくい部分に作用するため、変異株でも効果が落ちにくいとしている。

ソトロビマブは、スパイクタンパク質の保存性の高い領域に結合することにより、薬剤耐性に対する高いバリア機能を備えています。

ソトロビマブは、デルタ株、ラムダ株を含む懸念される変異株・注目すべき変異株に対して活性を維持することが示されています。

厚労省の対応は?

関係者によりますと、ソトロビマブの承認を判断するため、厚労省が早ければ今月中にも専門家の部会を開く方向で調整をしていることが分かりました。

部会で正式に承認されれば、軽症患者に使用できる治療薬としては「抗体カクテル療法」で知られるロナプリーブに続いて2種類目です。

他国の対応は

ソトロビマブは、米国で緊急使用許可を、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)からは肯定的な科学的見解を得ています。

さらに、カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦、シンガポール等では一時的承認を、またオーストラリアでは承認を取得しています。

まとめ

「ソトロビマブ」は新型コロナウイルスの働きを抑える「中和抗体」を点滴で投与するもので、

対象となるのは酸素の投与が必要ない軽症または中等症で、重症化のリスクがある患者です。

死亡のリスクを約8割減らす効果が確認されており、大きな期待がもたれております。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。


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