猛威を今夏の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第5波。
東京など首都圏では、自宅療養中の死亡のほか、救急搬送困難事例も生じ、COVID-19医療と一般医療の両立が困難を極めた。
その中にあって、第5波の死亡者数と重症者数はゼロで乗り切り、ワクチン接種のスピードも速く、2回の接種率も高い自治体として注目を集めるのが東京都墨田区だ。
ここでは、「墨田区モデルとは?」「実績と対策は?」「第6波に対する対応は?」
に迫ってみました。
Contents
墨田区モデルとは?
もともと区では昨年7月から、区の医師会役員と区内の10病院でウェブ会議を開き、病床確保に関して相談をしてきました。
① 年末の事態を受け、治療が進んで回復した患者を、高度医療を専門としない一般病院に転院させて引き受けてもらうことにしました。
墨東病院はER(Emergency Room、総合救急診療科)があるように、「患者を 絶対に断らない」体制が求められています。
② そこで、回復したものの療養が必要な患者を一般病院に必ず引き受けてもらうこととし、その費用を区が補助する仕組みとして今年4の1月7日に打ち出しました。
③ その結果、墨東病院などで重症患者を受け入れる余地が生まれ、入院待ち患者をゼロとすることができました。病院の枠を超え、区内で医療を完結させる。
墨田区の問題点と回復期病床の確保対策は?
【過去の問題点】
・“第3波”の時は症状が改善した患者もいたが転移先が見つからず、新たな重症患者を受け入れられなかったこともあった。
・回復期の患者を受け入れる病床が必要であったが、回復期とはいえコロナ患者を受け入れたくない病院は多く、他の市区町村はここが目詰まりを起こしていた。
【対策―1】:病院に対して粘り強く交渉 ・回復期の患者は他人に移す可能性が減っている。
・対応する医療従事者は、マスク手袋など比較的簡易な装備で十分 ――不安を取り除くように努めた!!!
【対策―2】1病院当たり1000万円を補助 ・
10の病院が受け入れを承諾した。・・56床の回復期病床を確保 これらの結果、「病院同士が連携することによって、限られた病床数を効率よく回転させることが出来た。それが“入院待機者ゼロ”につながったのではないか。」
墨田区モデル 死者・重症者ゼロの訳は?の対策は?
・東京都と墨田区の違いは・・
東京都 墨田区
(死者:7~9月) 686人 0人
(重症者:第5波ピーク時) 297人 0人
“重症化させない”体制づくりに力を入れたことが結果として表れているのかもしれない。・・自宅療養者のケアを手厚くした。(墨田区広報担当者)
① パルスオキシメーターを1800台確保し自宅療養者にレンタルした。
② 訪問診療の充実:開業医やクリニックが協力し、健康観察チームを編成し、24時間体制で訪問診療を行う。
常時酸素濃縮器をつけに行ける。 →自宅療養中に死者を0に!!
・オンライン診療の充実 :開業医やクリニックが協力し、自宅療養者を診る。
医師と話すと患者さんが安心する。本人がたいしたことがないと思っても医師が見ると入院が必要なことも・・→重症化する前に手を打てる。
・オンライン診療後 処方箋は薬局へ・・薬局が自宅療養宅へ配達!!
薬剤師会の協力を得て区内29の自宅療養支援薬局を指定、→24時間体制で薬の配達・7アフターフォローを行う。
第6波に対する国・墨田区の対対応は?
後藤厚労相大臣が“墨田区モデル”を視察しワクチン接種会場の視察や訪問診療の担当者の話を聞き、「第6波に備え“墨田区モデル”を参考にしたい」考えを明らかにしました。
連絡を取るまでにかかった日数が、4~7日とまちまちで、1日でも早く処置をすることが持溜められ「陽性判定の翌日」までに連絡できる体制づくりを目指す。
保健所の負担が増えるので、
① 済生会向病院と協定→保健所が担ってきた健康観察業務を委託した →保健所の負荷が軽減できれば医療逼迫の解消に効果がある。
② オミクロン株対策:無料でPCR検査・変異株検査を実施する、
③ 子どもたちへの情報共有(ワクチンを受けられない子供の感染を防ぐことが重要)・スピード化
「COCOO」学校連絡・情報共有サービス→欠席連絡、連絡、アンケート一斉送信
職員の負担軽減、保健所との連絡強化さらに学校でも感染状況がいち早く分かり注意喚起できる。
西塚至所長(墨田区保健所)談
① 「入院調整などを担い地域医療の弱点を一番知っている「保健所が体制強化に関与すべき。」
② 「医師会や薬剤師などと顔の見える関係を作り地域の課題を共有することが重要」
まとめ
墨田区は、人口が27万人程度でこのような素晴らしい実績を達成したのですが、国にも普及し題は二備えてほしいものです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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