ブレインフォグという症状が最近話題になっています。
コロナウイルスの後遺症として訴えている人が多く、世界中で研究が進められている症状です。
ここでは、「ブレインフォグとは?」「症状・原因・治療法」と「コロナとの関係」
に迫ってみました。
Contents
ブレインフォグ(脳の霧)とは?
ブレインフォグは直訳すると「脳の霧」という意味で、脳に霧がかかったようにモヤモヤとして、日常的な物事をしばらく思い出せなかったり、 普段からやっていることが混乱してできないなどの症状が出るものです。
「ブレインフォグ」は正式な病名ではありません。
医学的に定義されたものはないため、ブレインフォグかもしれないと思って診察を受けても別の病名がつくことになるので注意して下さい。
ブレインフォグ(脳の霧)の症状は?
ブレインフォグの症状は概ね以下のようなものを指しています。
🔸頭がボーッとする(思考力の低下)
🔸目の前のことに集中できない(集中力の低下)
🔸色々なことを考えてしまい混乱する
🔸頻繁に物忘れをする(認知障害)
🔸言いたいことがスラスラ出てこず、言葉に詰まる
医学的な定義はないため正確性には欠けますが、上記のような症状を指しています。
イメージとしては、徹夜をした時や風邪を引いた時、お酒を飲みすぎて二日酔いになった時のように頭がボーッとして何も考えられない、手がつかないというような状態です。
基本的にこういった症状はよく睡眠をとったり風邪が治ったりすれば消えてしまうものですが、慢性的に続く場合は何かしらの病気の可能性があるため注意が必要です。
ブレインフォグとコロナとの関係は?
ブレインフォグは、コロナウイルスの後遺症のひとつとして2020年の夏頃から注目されています。
アメリカのノースウェスタン記念病院の最新研究では、コロナウイルスの軽症100人を対象にした調査において、「集中できない・忘れやすい」といった症状を訴えた患者が81%に及んだという結果を報告しています。
これは、頭痛やしびれといった他の後遺症よりも訴える患者が多く、長期に渡り頭がボーッとした状態が続き、症状によっては方向感覚を失ってしまうケースも存在するようです。
コロナウイルスの後遺症としてのブレインフォグの症状はまだ詳しく分かっていないことも多く、現在も研究が進められています。
ブレインフォグの原因は?
ブレインフォグの原因とされていることは複数あり、脳疲労、不安やストレス、不規則な生活、生理、更年期などが該当します。
🔸脳疲労 現代社会はスマートフォンやインターネットなどを通して常に大量の情報を取り入れ、それを処理しています。
こうした状況が続くと、情報処理が追いつかなくなって目の前のことに集中できなくなっていきます。この状態を脳疲労と呼びます。
🔸不安やストレス 職場や家庭で様々な不安やストレスに晒されていると、集中すべきことが目の前にあっても気を取られてしまうようになります。
ネガティブなことや考えてもどうしようもないことをあれこれと考え続けてしまう状態をぐるぐる思考(反芻思考)と呼びますが、こういった症状はうつ病や不安障害などの原因にもなります。
🔸不規則な生活 睡眠不足や栄養不足など、不規則な生活を続けることによっても心身のストレスは溜まっていきます。
一時的な睡眠不足や栄養不足であれば回復しますが、慢性的に不規則な状態が続くとブレインフォグの原因にもなるうえ、うつ病や睡眠障害などの本格的な精神疾患になることがあります。
🔸生理 女性の場合は生理が原因でブレインフォグの症状が出ることがあります。 生理の症状が重いPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の場合はイライラやうつっぽさと並行して症状が見られることもあるため、症状が重たく感じることもあるかもしれません。
🔸更年期 更年期は女性ホルモンの減少による自律神経の乱れから様々な症状が出るものですが、疲れやだるさ、頭痛などを指してブレインフォグと呼ぶことがあります。
🔸ウイルス感染 コロナウイルス感染後に後遺症としてブレインフォグの症状を訴える人が多いですが、この原因はウイルス感染後に脳が炎症を起こしている可能性があると言われています。
これについてはまだ研究段階であり、明確な原因は分かっていません。
ブレインフォグの治療は?
ブレインフォグの治療法は原因によって異なります。
コロナウイルスの後遺症によるブレインフォグは明確な原因が分かっていないため治療法は明らかになっていませんが、その他の脳疲労や不安・ストレスなどが原因のブレインフォグの場合はTMS治療(磁気刺激治療)が効果的です。
<h3>※TMS治療とは、</h3>
第3のうつ病治療として2019年に保険診療化された治療です。 脳を磁気で直接刺激し、身体を傷つけることなく脳をケアすることができる副作用が少ない新しい治療です。
ブレインフォグの症状(思考力の低下、集中力の低下)は、脳の神経ネットワークが偏りを引き起こすことで発生しています。
脳にはDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)、CEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)、SN(セイリエンス・ネットワーク)の3つの神経ネットワークがあり、
それぞれがバランスを取ることで集中力や思考力などを調整しています。
まとめ
コロナウイルスの後遺症の場合はまだ明確な原因が分かっていないため、自己判断で治療を受けるのではなく、
コロナウイルスの診断を受けた病院で相談することが肝要です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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