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厚生労働省は22日、塩野義製薬が開発した国産初の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認した。

迅速に審査するために5月に新設された緊急承認制度が初めて適用された。12月上旬から使用できるようになる見通しだ。

重症化リスクが低い患者も軽症の段階から服用できるのが特長の治療薬で、国内の製薬会社が開発した初めての飲み薬となります。

ここでは、「ゾコーバとは?」「ゾコーバの効果、副作用・使用開始の調査」

迫ってみました。

ゾコーバとは?

ゾコーバとは、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」です。

「ゾコーバ」はコピーの準備段階で働く酵素を機能しなくすることでウイルスの増殖を抑えます。

いわばインフルエンザの「タミフル」のように広く使えるイメージの飲み薬で、12歳以上なら重症化リスクが低い人でも使えるということです。

軽症の段階から服用できる新型コロナウイルスの飲み薬で、重症化するリスクが高い患者を対象にしていたこれまでの薬と違い、重症化リスクの低い患者でも服用できるのが特長です。

これまで新型コロナの治療薬として承認されたのは飲み薬や点滴など9種類で、軽症・中等症の患者に使える薬もありましたが、 糖尿病やさまざまな呼吸器疾患、肥満など重症化リスクのある人に限られていました。

重症化リスクの低い人に対する治験は行われていなかった上、供給量も限られていました。

厚生労働省の専門家会議では、発熱などの症状を改善する効果が認められたことなどから「有効性が推定される」と評価し、使用を認めることを了承しました。

国内の製薬会社が開発した初めての飲み薬でもあり、医療機関などへの安定した供給につながることも期待されています。

ゾコーバの効果は?

 

「ゾコーバ」について、塩野義製薬はことし9月下旬、最終段階の治験で発熱などの症状が出る期間が短くなり、症状を改善する効果が確認されたと発表しました。

治験は、日本など3か国でことし2月から7月中旬にかけて重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの軽症から中等症のコロナ患者1821人を対象に行われたものです。

発症から3日以内に服用を開始したグループでは、オミクロン株に特徴的なせきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、けん怠感、発熱・熱っぽさの5つの症状すべてが7日前後でなくなり、症状が出ていた期間が約24時間短縮されたということです。

 

ゾコーバの副作用は?

治験では投与は1日1回、5日間行われましたが、4日目の段階でウイルスの量が30分の1程度に減り、重篤な副作用はなかったとしています。

さらに、実験では現在、主流となっているオミクロン株の「BA.5」を含む変異ウイルスに対しても高い効果を示したとしています。

一方で、動物実験では胎児に影響があったことから、妊娠中や妊娠の可能性のある女性は服用できません。

また慢性の病気の治療で薬を服用している場合などほかの薬との飲み合わせによっては副作用が出るおそれもあるので、適切に注意喚起を行うとしています。

使用開始は?

厚生労働省は塩野義製薬と100万人分を購入する契約を締結していて、12月はじめごろには医療現場で使用できるよう、流通システムができしだい、供給を開始するとしています。

また妊娠中の女性などは使用が禁止されていることや、複数の医薬品が併用禁止になっていることから、最初の2週間程度は、

安全対策として、薬が働く仕組みが同様のアメリカの製薬大手ファイザーが開発した飲み薬、「パキロビッドパック」を処方した実績のある医療機関や薬局に限定する予定です。

その後は特段の要件は設けず、各都道府県が選定した医療機関での処方や薬局での調剤ができる体制を整えたうえで、処方可能な医療機関については、都道府県などのウェブサイトで公開するとしています。

まとめ

「ワクチン」と「使いやすい治療薬」の両方が使えるようになることは、心強いことです。

専門家の意見として、

「今後の課題としては、「この薬は発症から3日以内に服用すると効果が大きくなるとされているので、より早く診断し、より早く薬を届ける体制を国や自治体が早急に整えることが重要だ。」

と言っております。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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