アメリカでは、新型コロナのオミクロン株の変異ウイルスのひとつ「XBB.1.5」が、最新の推計で感染者のおよそ5割を占めることがわかりました。
CDC(=疾病対策センター)によると、今月21日までの1週間で、新規感染者に占める「XBB.1.5」の割合は49.1%と推計され、先月3日時点の2.4%から1か月あまりで45ポイント以上増加しています。
また、地域別では、東部のニューヨーク州やニュージャージー州などで、85%以上にのぼっていて、置き換わりが進んでいます。
「XBB.1.5」は感染力が強く、免疫から逃れる能力が高い可能性があるとされ、国内での割合も増加していて、専門家は注意が必要だと指摘しています。
WHO(=世界保健機関)は、感染者数を増やす要因になりうるとみていますが、重症化やワクチン効果については、さらなる分析が必要としています。
ここでは、「XBB.1.5とは?」「XBB株の特徴・重症度・再感染率の調査」
に迫ってみました。
XBB,1.5とは?
XBBとは「BJ.1株とBM.1.1.1株の組み替え体」です。
2つのウイルスが1つの細胞に同時に感染した時、細胞の中で2つのウイルスの遺伝子が混ざりあって全く新しいウイルスが誕生します。
もともとのBJ.1株はBA.2.10株(ステルスオミクロンがBA.2株です)の亜系統、BM.1.1.1株はBA.2.75.3株の亜系統株(BA.2.75株は「ケンタウルス」としても有名になりましたね)なので、
その組み換え体のXBB株も「BA.2株」「BA.2.75株」にある程度近しい性質を持つことが予想されます。
XBB株の特徴は?
XBB株が優勢であるシンガポールの保健局「MOH」では、新型コロナの症状として • 発熱 • 咳 • 喉の痛み • 鼻水 • 味覚嗅覚障害 • などをあげており「肺炎や急性呼吸器疾患に似ている」としています。
しかもこれらは、XBB株が優勢になった後から症状を変更していないので、従来のオミクロン株と同様の症状と考えてよいでしょう。
XBB.1.5株についても、2023年1月のアメリカの発表では「新しく出現した症状はない」としています。
XBB株の重症度は?
XBB株の重症度は「従来の新型コロナ感染症よりも重症度は上昇していない」といえます。
シンガポールMOHからの発表によると、「XBB株の症例はBA.5症例と比較して、入院のリスクが30%低いと推定」としています。
また、XBB.1.5株に関してもアメリカでは「重症化リスクが高くなった証拠はない」としていますね。
しかし、「既存の中和抗体薬が効果がない可能性が高い」ので注意が必要です。
また、シンガポールMOHからの発表によると、
XBB株が拡大した9月22日~10月22日までの期間での死亡率は
• 50歳未満の死亡率:ワクチン接種の有無に関わらず0.01%未満
• 50-59歳の死亡率:ワクチン接種なし0.05%、ワクチン接種あり0.01%未満
• 60-69歳の死亡率:ワクチン接種なし0.24%、ワクチン接種あり0.01% • 70-79歳の死亡率:ワクチン接種なし0.44%、ワクチン接種あり0.09%
• 80歳以上の死亡率:ワクチン接種なし2.2%、ワクチン接種あり0.55%
• となっており、年齢とワクチン接種の有無によって大きく変わってきますので、ご注意ください。
XBB株の再感染率は?
XBB株の安心できない点は「再感染率」の高さです。
シンガポールでは再感染は新規症例全体の約17%を占めており、「過去に新型コロナにかかっているから大丈夫」とはいえません。
また、再感染例にはオミクロン株から1-3か月後に再感染した例も含まれており、「直近でコロナにかかったから再感染しない」とも言えません。
まとめ
再感染率の高さが、特質されます。
推移を注視する姿勢がが必要です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
スポンサーリンク